98年はKornによってニュー・メタルが本格的に始まった年だ。
(NirvanaやPearl jamの成功を受け入れない姿勢について)糞だと思ってた(笑)。あんな姿勢は馬鹿げてるよ。
ビッグになりたくないだなんて、全く理解できないし・・・多分自信のなさから、彼らはああいった態度をとってたんじゃないかな。
俺たちの場合は商業的な成功が手に入ると、「ありがとう、どんどん来やがれ!」って感じなんだ。
元々俺たちがこのシーンをブレイクさせたんだけど、いろんなバンドが登場してるのに停滞気味だったから、また活気あるシーンにしたかったんだよ。
ロック・ミュージックが衰退して消滅しそうな気配があったから、俺たちは何かを取り戻そうとしてたのさ。
80年代のロックンローラ一のように、オッパイとケツと酒三昧のロックンロール・ライフはもうあり得ないにしても(笑)、楽しいシーンを復活させたくて・・・
90年代にニルヴァーナとかが登場してから、そういう部分が消えてただろ?
俺にとって90年代の音楽は凄くつまらなかったから、少なくとも楽しさを取り戻したかった。
KORNとオルタナとは絶対的に全く違うスタンスで始めたものなんだ。
ニルヴァーナとパール・ジャムをはじめとするオルタナテイヴ・ムーヴメントは、シアトル派の「有名になりたくない」アホ症候群の現われだったんだよ(笑)。
俺たちがやってることとは全然違うね。
Korn / ジョナサン・デイヴィス CROSSBEAT1999年3月号
ロラパルーザ出演歴こそあったが、この発言のようにオルタナティヴを否定するKornは、98年にリリースした3rdアルバムFollow The Leaderが全米1位となった。
また、ファミリー・ヴァリューズ(Family Values)という、Kornをヘッド・ライナーに同系列のヘヴィロックバンドを従えて全米を回るツアーを展開し、大好評を得た。
そしてこのツアーは毎年開催されるようになっていった。対照的に、様々なジャンルのバンドを集めたロラパルーザは98年を最後に開催されなくなった。
以前はジョナサン・デイヴィスの心の闇をそのまま吐き出していたかのようなステージだったが、この頃になるとKornのライヴは派手な演出やパフォーマンスが増え、ヘヴィな爆音を楽しむというエンターテインメント色が強くなっていった。
Korn自身のレーベルも設立され、ヘヴィロック・バンドを送り込んでいった。
Kornの弟分で後にKorn以上の売上を誇るLimp Bizkitがデビューしたのもこの年だ。
俺たちが売れたことで、急に俺たちのパクリをやる奴が大勢現れたから、それじゃ正しいパクリ方を教えてやるからちゃんとついて来いよ(笑)。
Korn / ジョナサン・デイヴィス クロスビート1998年12月号から引用
「リーダーに従え(Follow The Leader)」というアルバム・タイトルどおり、Kornを頂点に多くの同系列バンドが出現し、支持されていった。
Rage Against The Machine / ザック・デ・ラ・ロッチャ(ロッキングオン2000年9月号から引用)
レコード会社は僕達が90年代初めに自力で開拓した音楽から美味しいところだけ持っていこうという腹なんだよ。で、それが成功したんだよね。
そうする過程で、このジャンルにあった潜在的な政治性は根こそぎ剥ぎ取られた。非常に危険だし恐ろしいことだと思う。
僕はこれからソロアルバムの準備を始めるんだけど、これはヘヴィロックっていうジャンルとは何ら関わりの無いものになると思う。
なぜかっていうと、リンプ・ビズキットのレコードが700万枚売れた日にこのジャンルは死んだから。
サウンドとその背景にあった思想が切り離されてしまった。ヘヴィロックはもう終わったんだよ。
Limp Bizkit / フレッド・ダースト(ロッキングオン1999年10月号から引用)
俺は子供の頃からずっとロック・スターになりたかったからさ。
俺たちは昔のライヴの凄まじい興奮や盛り上がりを取り戻そうとしてるんだよ。
80年代は大規模なロック・ショーがあって、アーティストはそういう場でファンとコミュニケーションを取るのを凄く大事にしてたのに、いつの間にかなくなってさ。
「俺はロックスターなんてなりたくない。俺はただ俺なんだ。」なんて馬鹿だよ。ロックスターになりたくないならなるなって。
俺は80年代のデカいショーが好きで、ああいうのを取り戻したいと思ってる。ツアー、馬鹿でかいステージ、お楽しみ、ファン、音楽、鳥肌が立って涙が出るような経験。
80年代のロックってこういうもんだったし、俺もそういうのが大好きだった。
90年代に欠けていたのはこれだよ。90年代のロックスターは自分達のことだけしか考えていないような、単なるわがままな連中ばかりだと思うね。