変則チューニング

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変則チューニングの流れとドロップD

グランジ・オルタナ系ギタープレイで最も目立つのは変則チューニング。
リフと曲作りに力を入れるとなれば、ノーマル・チューニングのプレイでは限界があると考えるのは自然な流れだ。

ドロップD・オープンC・オープンD・全弦E・5弦6弦のみ一音下げ・CGDECDなど挙げればキリがないが、ここではドロップDについて述べてみる。

ドロップDとは、6弦のみ一音下げてチューニングすること。
これによって得られる事柄は二つある。

一つは6弦を一音下げるのだから、当然ギターが出すことができる最も低い音が一音下がり、よりヘヴィな音を出すことができる。

もう一つは、個人的にはこちらの方が重要だと思うのだが、ノーマルチューニングで5弦6弦を使ったパワー・コードを指一本で押さえられるようになること。
つまり、パワー・コードの移動が楽になるということだ。

例えば、Fのパワー・コードはノーマル・チューニングでは5弦3フレットと6弦1フレットを押さえるのだが、ドロップDでは5弦6弦とも3フレットを人差し指一本で押さえればよい。
そこからGに移りたかったら、薬指で5弦6弦を薬指で押さえるだけで事足りる。

アリス・イン・チェインズのダートアリス・イン・チェインズ”ダート”つまり、5弦6弦を使ったパワー・コードの移動が楽になることによってノーマル・チューニングでは思いつかなかったリフが生まれるということである。

ドロップDで得ることができる二つのメリットを同時に理解できるのが、Alice In Chainsの名盤”Dirt”に収録されている”Danm That River”だ。(厳密に言えば半音下げドロップD)。
ドロップDでなくても不可能ではないが、ノーマルチューニングより遥かに演奏しやすいし発想も楽になる。


代表的な変則チューニング・バンド

サウンドガーデンのスーパーアンノウンサウンドガーデン”スーパーアンノウン”シアトル勢で真っ先に思いつくのはSoundgardenだ。
速さ・疾走感を追求していたバンドば多かったこの時代、Melvinsの”スロー・テンポでどれだけヘヴィネスを追求できるか?”という姿勢に感化されたKim Thailは4thアルバム”Superunknown”で8種類のチューニングを駆使してみせた。
80年代のメタル系ギタリストとしてみれば、一つのアルバムに8種類のチューニングが存在することすら思いもよらなかったであろう。

ソニック・ユースシアトル外のオルタナティヴ・バンドではSonic Youthを挙げたい。
彼らの実験的なサウンドは間違いなく変則チューニングによるところが大きい。
2003年時のツアーのチューニング表を見ると、”Candle”のようにAAEEAAといった変則チューニングは当たり前で、更にはギター3本とベースもそれぞれ全く違うチューニングだ。

曲を作ってからチューニングを決めることはない。チューニングが先にあり、どんな曲になるかはそれ次第。
(Sonic Youth / サーストン・ムーア)

このようにグランジ・オルタナ系ギタリストのルーツは、チューニングのルールすら打ち破った。


変則チューニングが目立つアルバム

Superunknown / Soundgarden

94年にリリースされた4thアルバムで、Soundgardenの最高傑作と言われることが多い。。
また90年代ヘヴィネスを代表する一枚。

ヘヴィなうねり、地を這うようなリフ、独特のノリは変則チューニングによるところも大きいだろう。
Black Flag、Melvinsと受け継がれてきたスローテンポでジワジワと押し寄せるヘヴィネスも見事。

日本盤


Goo / Sonic Youth

Sonic Youthは難解な作品が多いが、90年にリリースされたメジャー第一弾アルバムは比較的理解しやすい。

Dirty BootsやKool Thing、Cinderella’s Big Scoreといったわかりやすい曲が多いが、彼等独自の音世界とカオスは変則チューニングの効果だ。

日本盤


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