80年代のギタリスト達は、エディ・ヴァン・ヘイレン、アメリカ以外だとイングヴェイ・マルムスティーンに代表されるようにテクニックを追求した。
ギタリストのオナニーとしか思えないような早弾きのオンパレード。
ジョージ・リンチ(ドッケン)スティーヴ・ヴァイ、ジョージ・リンチ、クリス・インペリテリ、ポール・ギルバート、ヌーノ・ベッテンコート、デイヴ・スネイク・セイボ・・・挙げればキリがない。
見た目は華やかで数多くのギター・ヒーローが誕生したが、テクニックの誇示に力を入れた結果、感情表現というアーティスティックなプレイが失われたのかもしれない。
それに対し、オルタナ・グランジ勢はリフを重視した。
少ない音でどれだけ個性を発揮し感情表現ができるか?
これを実践したのが90年代のギタリスト達である。
ヴァン・ヘイレンまた、90年代のギタリストはステージでも目立とうとしない人が多く、”ヴォーカルとリード・ギターのツートップ”という図式は成り立たなくなった。
勿論90年代にも早弾きはあったが、ささやかなものだ。
トム・モレロ90年代唯一のギター・ヒーローといっても過言ではないRage Against The MachineのTom Morello、彼の話は面白い。
Steve Vaiみたいな早弾きを一生懸命練習したけど、これじゃ個性を発揮することはできなかった。
でも、ある日、トグル・スイッチをいじっていたら新しい世界が開けた。
アーティストの次元でギターを弾きたかったら自分にしかないものを見つけるしかない。
(トム・モレロ)
このような自由な発想で型を破ったのがグランジ・オルタナ系ギタリストだといえる。